がん・癌とは 早期発見、早期治療が克服のカギ
私たちのからだは約60兆個の細胞からなっています。
これらの細胞はそれぞれの役割を 果たし、ある一定の調和を保っています。がん細胞はこのような正常細胞が変化して出てくるもので、からだ全体の調和を無視して無秩序に増え続けるのが第一の特徴です。
さら にがん細胞はまわりの正常な組織に侵入したり(浸潤)、血管やリンパ管を通って体のい たるところに定着し、そこで増殖する(転移)性質があります。がんが他の病気と大きく 異なるのはこれらの性質によります。またこれらの浸潤や転移をする性質のため、がんは 悪性の病気であるといえるのです。
近年、がんの発症には喫煙や食習慣などの生活習慣が関係していることが明らかになり、 これからは従来からのがん検診などに加え、個人の生活習慣の改善がより重要となってき ています。
日常の生活習慣
●たばことがん
たばこを吸っている人は、そうでない人に比べ、がんになる危険性が高くなります。 また、非喫煙者の女性でも、喫煙している夫を持つ場合も高くなると言われています。
●食物とがん
食物は、がんの危険因子としてもっとも重要と考えられています。とくに、(1)ある種の 食品(例えばワラビ、ソテツの実)は発がん物質を含んでいる、(2)食物自体やその成分に 発がん物質がなくても、それらの成分をもとに体内で発がん物質が合成されるものがある、 (3)高脂肪・低繊維食は、胆汁酸の代謝異常を介して大腸がんを促進する、(4)食塩の摂りす ぎは、胃がんの促進因子となる、などがいわれています。また、ある種の食品はがんを抑 制するという報告もあります。すなわち、β−カロチンやビタミンC、ビタミンEなどの ビタミン類には、発がんを抑制する作用がある、というようなことがいわれています。
検診を受けましょう
◎がん克服には早期発見と早期治療
がん疫学調査事業によると、本県において、平成10年(概数)では、4,924人が“がん ”に罹っています。この中で一番多いのが、胃がんで1,103 人となっています。
胃がんは、胃の粘膜から発生し、外側の粘膜層や筋肉層に向かって進行します。“がん ”が粘膜層、粘膜下層だけにとどまっている状態を「早期がん」といい、この時期に発見 し、手術できれば90%以上治癒します。しかし、筋肉層まで“がん”が進行すると「進行 がん」と呼ばれ、生存率は小さくなり、治りにくくなります。
このようにがん克服に必要なことは、早期発見、早期治療なのです。
◎早期発見に効果があるがん検診
“がん”が発見されたきっかけと、発見された“がん”の状況を、胃がんでみると、自 覚症状によるものより、検診によるものの方が、早期の割合が高くなっています。検診によるものは、早期がんのほかに、比較的治癒しやすい臓器限局型のがんも含める と、約4分の3を占め、早期発見にがん検診が非常に効果があることがわかります。
・胃がんの発見のきっかけによる病巣の広がり割合(平成9年) −「富山県がん疫学調査報告」−
◎検診結果の通知がきたら…
検診が済んで検査結果が出揃うと、検診機関から医師の所見が添えられた検査結果通知 票が送付されてきます。検査結果で、要精検(精密検査が必要)の指示があった場合、精 密検査(二次検査)を必ず受診しましょう。
がん検診において、精密検査は“がん”を早期発見するうえで、重要な検査です。この 検査を受けなければ、最初の検診が無駄になってしまいます。検査結果通知票をもらった らできるだけ早く受診しましょう。
精密検査(二次検査)の実施方法
精密検査は病院や診療所等の医療機関で受診することになります。受診者は各医療機関 の指示に従って受診することになります。
検診は、毎年受診することによって有物性が高まります。
一回かぎりではなく、毎年受診するようにしましょう。
生活改善のポイント
がん予防のための12カ条 (国立がんセンター提唱) 禁煙で30%、食生活で30%併せて60%のがんを予防できます。
(1)バランスのとれた栄養をとる。
(2)毎日、変化のある食生活を。
(3)食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに。
(4)飲酒はほどほどに。
(5)喫煙はしないように。
(6)食べ物から適量のビタミンとたくさんの繊維質をとる。
(7)塩分はひかえめに、あまり熱いものは冷ましてから。
(8)こげた部分はさける。
(9)かびの生えたものは食べない。
(10)日光に当たりすぎない。
(11)適度にスポーツをする。
(12)体を清潔に。
引用元