頬粘膜癌(がん)食事法・食事療法について

頬粘膜癌(がん)食事法・食事療法について

頬粘膜癌(がん)食事法・食事療法などについて、参考となるページがありましたので、ご紹介します。

 

 

 

 

Chapter.1: はじめに

 

口の中にできるがんは口腔がんと呼びますが、‘口腔がん’と書いて医学的には‘こうこうがん’と読まず‘こうくうがん’と読みます。

 

この中には舌のがん(舌がん-ぜつがん)、舌と歯ぐきの間にできるがん(口腔底がん-こうくうていがん)、歯ぐきのがん(歯肉がん-しにくがん)、頬の内側の粘膜にできるがん(頬粘膜がん-きょうねんまくがん)、口の上ブタ(天井)の部分にできるがん(硬口蓋がん ―こうこうがいがん)が含まれます。

 

これらの中でもっとも頻度の多いものは舌がんですが、全て合わせても全体としては全がんの1~2%しかありません。
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Chapter.2: 症状

 

一般的には初期のがんでは痛みや出血などはなく、硬いしこりが触れるのみの場合が多いです。なかなか治らない口内炎の場合も注意が必要です。

 

実際に自分の口の中にある病変が良性か悪性か心配の場合はご自分で触ってみると良いでしょう。他の部分と違って明らかにその部分が硬く触れる場合は悪性の腫瘍の可能性がありますので、専門医の受診をお勧めします。

 

 

目をつぶって触ってしまうとどこにあったかわからなくなるほどのやわらかいしこりは悪性の可能性はまずないでしょう。舌がんの好発部位は舌の両脇の部分で、尖端や真中の部分にできることは少ないです。

 

また舌の奥の方には有郭乳頭や葉状乳頭とよばれる正常の突起物もありますが、これらをがんと勘違いする方もいらっしゃるようです。

 

その他上ブタ(天井)の部分や下の歯くきの内側には正常な骨の突起があり、これらもがんと勘違いされることがあります。

 

進行がんではしこりが外側に大きくなる傾向のものもあれば深部に入っていくものもあり、特に後者の場合は以外に進行しているものが多く、潰瘍を形成して痛みや出血が出現することがあります。

 

さらに増大すると言葉が喋りづらくなったり食事が取りづらくなったり口が開かなくなったり、またがんが頚部のリンパ節に転移しあごの下や首のリンパ節の腫脹をきたすことがあります。

 

 

 

 

Chapter.3: 受診

 

口腔がんは一般の内科や歯科で診断がつくこともありますが、総合病院の耳鼻科や口腔外科で診断がつくことが多いです。

 

しかしながらがんの心配が強い場合は迷わず専門病院を受診することをお奨めします。癌研有明病院頭頸科では早期診断から集学的治療まで、幅広く専門のスタッフを集め万全の体制を引いております。

 

 

 

 

Chapter.4: 診断

 

診断は病変の組織の一部を局所麻酔下で切り取って顕微鏡の検査(病理)にまわした際、がん細胞が認められれば確定です。
ほとんどの口腔がんでがんは扁平上皮がんという種類のものです。

 

 

 

 

Chapter.5: 病期

 

2005年10月に改訂された頭頸部がん取扱い規約により下記のような病期分類がなされています。

 

この病期分類は日本を含め世界中の医療機関で共通です。

 

T-原発腫瘍
T1 最大径が2cm以下の腫瘍
T2 最大径が2cmをこえるが4cm以下の腫瘍
T3 最大径が4cmをこえる腫瘍
T4 隣接組織たとえば骨髄質、舌深層の筋肉(外舌筋)、上顎洞、皮膚に浸潤する腫瘍
T4a 骨髄質、舌深層の筋肉/外舌筋(オトガイ舌筋、舌骨舌筋、口蓋舌筋、茎突舌筋)、上顎洞、顔面の皮膚に浸潤する腫瘍
T4b 咀嚼筋間隙、翼状突起、または頭蓋底に浸潤する腫瘍、または内頸動脈を全周性に取り囲む腫瘍
N-所属リンパ節
N0 所属リンパ節転移なし
N1 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cm以下
N2 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cmをこえるが6cm以下、または同側の多発性リンパ節転移で最大径が6cm以下、または両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径が6cm以下
N2a 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cmをこえるが6cm以下
N2b または同側の多発性リンパ節転移で最大径が6cm以下
N2c 両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径が6cm以下
N3 最大径が6cmをこえるリンパ節転移
M-遠隔転移

M0 遠隔転移なし
M1 遠隔転移あり

 

 

[病期分類]
1 期 T1 N0 M0
2 期 T2 N0 M0
3 期 T1 T2 N1 M0
T3 N0 N1 M0
IV A 期 T1 T2 T3 N2 M0
T4a N0 N1 N2 M0
IV B 期 T4b Nに関係なく M0
Tに関係なく N3 M0
IV C 期 T、Nに関係なく M1

 

実際には正確な病期分類を行なうために充分な触診の他、CT、MRIなどの画像診断が必要です。

 

癌研有明病院頭頸科ではCT・MRI・超音波の検査を口腔がんの症例全てに施行しています。

 

 

 

Chapter.6: 治療

 

ほとんど全ての口腔がんで手術治療が中心になります。

 

早期のがんでは手術単独で治療できますが、進行したがんになると手術に放射線治療や抗がん剤を組み合わせた治療になります。初期のがんだと切除後に重い後遺症がでることはあまりないでしょう。

 

しかし進行がんの手術で切除する範囲が広くなると言葉や食事に悪影響が出ますので、通常その患者さんのお体の別の部分(腕の皮膚―前腕皮弁やお腹の皮膚― 腹直筋皮弁)を使って再建することで影響を最小限にしています。

 

手術の際には必要に応じて頚部のリンパ節の摘出も同時に行なわれます。

 

 

 

Chapter.7: 治癒率

 

一般的には口腔がんの治癒率は悪くはありません。

 

腫瘍が割と小さく頚部のリンパ節転移のないものは通常良好ですが、より大きい腫瘍や頚部リンパ節転移のあるものはそれだけ治癒率は悪くなります。

 

 

癌研有明病院頭頸科における舌がんの各病期別の5年生存率は 1 期 約80%、2期 約70%、3期 約60%、4期 約30%です。

 

 

引用元